水のコラム
台所の排水口にトラップがあると流れない理由と対処法を解説
下水のニオイや害虫の侵入を防ぐ役割を果たすのが、排水トラップです。
台所の排水トラップには、水と一緒に調理後の油や食材が流れ込みやすく、汚れが蓄積して水の流れが悪くなることがあります。
こうなると、シンクに水が溜まって雑菌が繁殖したり悪臭が発生したりと、台所の衛生環境が悪くなりかねません。
この記事では、「台所の排水口の流れが悪い」と感じている方に向けて、排水が流れない理由と対処法を解説します。
目次
台所に排水トラップがあると水が流れない理由とは
排水トラップとは、排水口と排水管の接続部分に水を溜め、ニオイや害虫が下水道から室内に上がってくるのを防ぐ排水設備のことです。
この部分に汚れが蓄積するとスムーズに排水できず、流れが悪くなります。
排水トラップが原因で水の流れが悪くなる理由を、以下で詳しく見ていきましょう。
台所の排水トラップによって水が流れなくなる理由
- 理由①油が蓄積するため
- 理由②食材の切れ端が蓄積するため
- 理由③洗剤の洗い残しが蓄積するため
理由①油が蓄積するため
調理の際に使用した油を、そのまま台所の排水口に流していませんか?
油は水に溶けにくいうえ、冷えると固まる性質を持っているため、水で流すと排水トラップにこびりつくおそれがあります。
こうした汚れが蓄積すると、排水トラップ内の水の通り道を狭めてしまい、水が流れない原因となるわけです。
また、油は固まるだけでなく、時間が経過するとぬめりとなって排水口や排水トラップに付着し、水の流れを悪化させます。
理由②食材の切れ端が蓄積するため
油と同じように、調理したあとの食材の切れ端や食べ物のカスなどが排水トラップに蓄積し、水の流れが悪くなることも考えられます。
食材の細かい切れ端や即席麺のスープなどを排水口に流す場合もあるかもしれませんが、これらは排水口のごみ受け皿の小さな穴を簡単にすり抜けてしまいます。
一つひとつの塊は小さくても蓄積すると大きくなり、水の流れを妨げる原因になるのです。
理由③洗剤の洗い残しが蓄積するため
油や食材にくわえ、洗剤の洗い残しが排水トラップに蓄積して水の流れが悪くなるケースもあります。
特に粘度の高いジェルタイプの食器用洗剤や泡立ちの良い洗剤は、洗浄力が高い反面、成分が残りやすいため、しっかりとすすがなければ流れていきません。
洗剤の洗い残しがあると、排水口や排水トラップにぬめりが付着する原因となり、水の流れが悪くなるのです。
このような洗剤を使用する場合は、使用量を守り、洗剤が残らないよう排水口を水でしっかりと洗い流すことを心がけましょう。
台所の排水トラップが原因で水が流れない場合の対処法
日常の何気ない行動によって、台所の排水トラップに汚れが蓄積することがわかりました。
では、排水トラップに汚れが蓄積し、水の流れが悪い場合には、どのように対処すればよいのでしょうか。
具体的な対処法は、以下の通りです。
台所の排水トラップが原因で水が流れない場合の対処法
- ①タオルとお湯を使用する
- ②ラバーカップを使用する
- ③ペットボトルを使用する
- ④パイプクリーナーを使用する
①タオルとお湯を使用する
台所の水の流れが悪くなっている場合は、排水トラップのつまりを除去するために、タオルとお湯を使用して水圧を発生させる方法が効果的です。
これは、お湯の勢いを利用して排水トラップの汚れを押し流す方法で、以下のような手順で進めます。
タオルとお湯で排水トラップのつまりを除去する方法
- 排水口の部品(排水口のフタ・ごみ受け皿・排水トラップ)を外す
- 古くなったタオルと50~60℃程度のお湯を準備する
- タオルで排水口を塞ぎ、密閉する
- シンクの半分程度までお湯を張る
- タオルを一気に外す
水ではなくお湯を使用することで、油汚れやぬめりが落ちやすくなります。
ただし、熱湯を流すと排水管にダメージを与えてしまう可能性があるため、お湯の温度は50~60℃程度にとどめてください。
②ラバーカップを使用する
台所の水の流れを改善する方法として、ラバーカップの使用も挙げられます。
ラバーカップは、トイレだけでなく台所のシンクのつまりにも有効なアイテムです。
さまざまな種類の製品が販売されていますが、カップが平らで柄が短いシンク用の製品を選びましょう。
ラバーカップを使用する際には、以下の手順を参考に、排水の流れが改善されるかを確認してみてください。
ラバーカップで排水トラップのつまりを除去する方法
- 排水口の部品(排水口のフタ・ごみ受け皿・排水トラップ)を外す
- シンクに50~60℃程度のお湯を張る
- 排水口全体を覆うようにラバーカップをしっかりと押し付ける
- ゆっくり押し込んで引く動作を繰り返す
- 強めに引っ張る
- 水の流れが改善するまで繰り返す
つまりの除去に際しては、空気が入らないようにラバーカップを排水口にしっかりと密着させるのがポイントです。
なお、上記の手順を数回繰り返しても水の流れが改善しない場合は、別の方法を検討しましょう。
③ペットボトルを使用する
ラバーカップと同じく、ペットボトルでも空気圧を利用して排水トラップのつまりを除去できます。
ペットボトルで排水トラップのつまりを除去する方法
- 1.5~2Lのやや硬めのペットボトルを準備する
- 排水口のごみ受け皿を取り外す
- ペットボトルのキャップを外して排水口に密着させる
- ペットボトルを強く押して空気圧をかける動作を数回繰り返す
- 最後に40~50℃程度のぬるま湯をたっぷりと流す
ペットボトルを使用して排水トラップのつまりを除去する際のポイントは、適度な硬さのペットボトルを選ぶことです。
硬くて弾力が強いものは手で押しにくく、反対にやわらかすぎるものは十分に圧力がかけられません。
ご自身が力を加えやすく、押したときに空気が出るものを使用する必要があります。
④パイプクリーナーを使用する
タオルやラバーカップで水の流れが改善しない場合は、パイプクリーナーを使用するのも一つの手です。
以下では、ドラッグストアやホームセンターで購入できる、一般的なパイプクリーナーの使用方法を紹介します。
パイプクリーナーで排水トラップのつまりを除去する方法
- 排水口やごみ受け皿の油汚れや食材のカスを除去する
- パイプクリーナーを排水口に流す
- 30分~1時間ほど放置する
- たっぷりの水やぬるま湯を流す
実際の使用量や放置時間は、製品によって異なります。
また、パイプクリーナーはほかの薬剤と混ぜると有毒ガスが発生するおそれがあるため、必ず単体で使用してください。
排水トラップのつまりを除去する際の注意点
排水トラップのつまりを除去する際に方法を誤ると、排水管の寿命を縮めることになりかねません。
以下では、ご自身で対処するときに注意したいポイントを紹介します。
注意点①熱湯を流さない
排水管にダメージを与える原因となるため、排水口に熱湯を流すのは避けるのが賢明です。
排水トラップのつまりを除去する際は、水よりもお湯を使用すると汚れが落ちやすい傾向にあります。
しかし、排水管に使用される“ポリ塩化ビニル管”という素材は熱に弱いため、熱湯を使用すると変形や破損につながります。
すぐに影響が出ない場合でも、熱湯を頻繁に流すことでダメージが蓄積し、排水管の寿命を縮めてしまうのです。
つまりの除去にお湯を使用する際は、お湯の温度を50~60℃程度にとどめるために、沸騰したお湯に水を足す、あるいは温度設定が可能な電気ケトルを使用するとよいでしょう。
注意点②固形物を放置しない
排水トラップのつまりを除去する際には、排水口やごみ受け皿に溜まった油や固形物を放置せずに、定期的に除去することが大切です。
油汚れや食材の切れ端が残った状態で勢いよく水やお湯を流したり、空気圧を加えたりすると、排水トラップにつまって除去できなくなります。
また、シンクまわりに使用済みのラップやペットボトルのフタなどを放置していると、誤って流してしまうかもしれません。
かえってつまりを悪化させる可能性もあるので、作業する際はキッチンまわりを整えることもポイントです。
台所の排水口のつまりを自力で除去できない場合は?
すでに紹介した対処法を試してもつまりが解消しない場合には、水道修理業者に対応を依頼しましょう。
早めに対処しないと、排水トラップや排水管のつまりが悪化して逆流や水漏れを引き起こす可能性もあります。
さらに、汚れが排水口の奥でつまっている場合は、排水トラップの分解も必要です。
作業に慣れていないと、排水トラップの着脱時に水漏れを起こしたり、洗浄する際に排水管を傷付けたりするケースも少なくありません。
ご自身での対応が難しい場合は、排水トラブルが深刻化する前にプロに依頼することをおすすめします。
台所の排水トラップを清潔に保つ方法
台所の排水トラブルを未然に防ぐには、排水口や排水トラップを清潔に保つことが重要です。
一般的な台所で採用されている排水トラップはシンプルな形状のものが多いので、取り外してこまめに洗浄することをおすすめします。
取り外した排水トラップの表面と内側を、食器用洗剤を付けたスポンジや歯ブラシを使用して磨きましょう。
また、簡単に着脱できない排水トラップの場合には、塩素系漂白剤やパイプクリーナーの使用がおすすめです。
これらを定期的に使用することで、油汚れやぬめりを除去できます。
なお、こまめに掃除しても水の流れが悪い場合は、排水トラップと接続している“ジャバラホース”や排水管など、ほかの排水設備が問題かもしれません。
水道修理業者であれば、劣化した部品の交換や配管内の高圧洗浄も可能なため、定期的に点検してもらうと安心です。
台所の排水トラップのつまりを防ぐ方法
排水トラブルで慌てないためには、日頃から対策しておくことが大切です。
以下では、台所の排水トラップのつまりを予防する方法を紹介します。
台所の排水トラップのつまりを防ぐ方法
- ①できるだけ油を流さない
- ②固形物を流さない
- ③台所では調理以外の作業をしない
- ④定期的な掃除を怠らない
①できるだけ油を流さない
台所の排水トラップのつまりを防ぐには、調理の際に使用した油をシンクに流さないことが大切です。
鍋やフライパンに残った油はそのままシンクに流さず、キッチンペーパーで拭き取るほか、凝固剤で固めてごみ箱に廃棄しましょう。
また、食用油に限らず、バターやベーコンなど食材に含まれる油が付着している場合も同様に、洗い流す前の拭き取りをおすすめします。
排水口に流れる油を極力減らすことによって、排水設備の劣化を防止するだけでなく、環境への負担も軽減できます。
②固形物を流さない
排水口に食材の切れ端や残飯などの固形物を流さないことも、排水トラップのつまりを予防する方法として挙げられます。
特に調理後のやわらかくなった食材は、水と混ざってぬめりの原因となります。
ぬめりは排水口や排水トラップにこびりついて、結果つまりを引き起こすため、固形物を流さないよう心がけましょう。
くわえて、ドリップ後のコーヒーの粉や出がらしの茶葉などの小さな固形物も排水トラップに溜まりやすく、つまりの原因になることがあります。
固形物は大きさにかかわらず直接ごみ箱に廃棄し、排水口のごみ受け皿にはネットを設置するなど、可能な限り排水口に流さない工夫が大切です。
③台所では調理以外の作業をしない
台所を調理以外で使用しないことも、排水トラップのつまり防止につながります。
たとえば、台所のシンクで洗髪したり、ペットのお風呂として使用したりするケースです。
このような使用方法を続けると、髪の毛やペットの毛が排水トラップに蓄積してつまりを引き起こす可能性が高くなります。
また、石けんのカスが皮脂と混ざってニオイやぬめりの原因になることもあります。
台所のシンクは便利ですが、使用方法によっては思わぬ排水トラブルにつながるおそれもあるので、調理以外の使用は避けましょう。
④定期的な掃除を怠らない
排水トラップのつまりを防止するために、定期的な掃除も欠かせません。
排水口のごみ受け皿にネットを設置して固形物が流れないよう注意していても、こまめに取り替えて掃除しなければぬめりが発生します。
可燃ごみの回収に合わせて最低でも週2~3回程度はネットを交換し、ごみ受け皿や排水口まわりを掃除しましょう。
つまりを引き起こしてから大がかりな掃除を実施するのではなく、普段から汚れを溜めないことが重要です。
台所の排水トラブルならさが水道職人へ
台所の排水トラップは、油や食材による汚れが蓄積しやすいため、ほかの水回りと比べて排水不良が起こる可能性が高いといえます。
日頃から油や固形物をシンクに流さないよう注意したり、排水口まわりをこまめに掃除したりして、つまりを予防することが大切です。
軽度なつまりはラバーカップやパイプクリーナーを使用すればご自身で除去できますが、こびりついた汚れが落ちないケースもあります。
対処法を試してもつまりが解消しない場合には、水道修理業者に対応を依頼しましょう。
台所の排水トラブルでお困りの方は、さが水道職人にご連絡ください。
お電話一本で現地にお伺いし、少しでも早くお客様のご不安を解消できるよう尽力いたします。
監修者

主任
髙城 俊介
《略歴》
水回りのトラブル対応を年間700件ほど行っている水回りトラブル解決のエキスパートです。
水回りの緊急メンテナンス業界で7年業務に従事し様々なトラブルの対応を行っており、お客様からの信頼厚く会社随一のリピート率を誇る。
佐賀県で水回りのトラブルにお困りまでしたらさが水道職人にお任せください。
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